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2022.11/25 Report

「0→1 KANAZAWA U-18 2022」REPORT〈DAY3〉

完成したビジネスプランをみんなの前で発表しよう

2022年7月から9月にかけて、金沢市野町の「金沢未来のまち創造館」で金沢市内の高校生を対象とした金沢市次世代起業家育成事業の起業イベント「0→1(ゼロイチ) KANAZAWA U-18 2022」が行われました。今回は9月23日に開催された〈DAY3〉「ZERO ICHI プレゼンテーション」の様子をレポートします。
キックオフイベント、中間メンタリングを経て、ついに迎える最終回。日頃から創業支援や高校生の創業マインド向上に取り組む「日本政策金融公庫 北陸創業支援センター」所長・松宮俊隆さん、創業から東証上場までを一代で行った石川を代表する企業の大先輩、「株式会社ビーイングホールディングス」代表取締役・喜多甚一さんを審査員に招き、高校生がこれまで練り上げたビジネスプランのプレゼンテーションを行います。
緊張感が漂う会場。高校生たちは当日の朝早くから会場に集まり、発表直前までプレゼンの練習をしたり、徹夜で準備をしたりして挑みました。発表のトップバッターは、チーム「ぱん水化物」です。「誰にも邪魔されずに思い切り遊びたい高校生と大学生」をターゲットとして、自然のなかで自由に遊んだりのびのびと過ごしたりできる施設「秘密基地ぱんなコッタ」を考案しました。
続いては、チーム「おすし」の発表です。未就学児から高校生までが一緒に遊ぶことができる施設「コドモノアソビバ」を提案。ビジネスプランのデモンストレーションとして「ミッションin廃校」という実際のイベントを実施し、当日の様子をプロモーションビデオにまとめてわかりやすく紹介しました。
演劇スタイルでのプレゼンが注目を集めたチーム「soko²(そこそこーず)」は、高校生と企業をつなぐプラットフォーム「Plus in!(プラスイン)」を発表。デザインや写真撮影、動画編集といった技術を持つ高校生(クリエイター)に企業(リクエスター)が仕事を依頼することができるほか、クリエイター同士の交流や、高校生のアイデア・発信力を企業が生かすことができる仕組みです。
お次は、チーム「ゴーストバスターズ」です。恋愛において、恋人の誕生日を忘れてしまったりプレゼントやデートプランを選ぶ自信がなかったりする人をサポートする、サブスクリプションサービス「徹底された恋愛サポートアプリ gibbon(ギボン)」を考案。詳細に作り込まれたプレゼン資料や、オークション方式でビジネスプランへの投資を呼びかけ、会場の人たちを巻き込みました。
チーム「IY(アイワイ)」は「お父さんの服をカッコよくすることで、親子が仲良くなる」ことを目指し、コーディネートの提案サービス「ふくむす」を考案。事前に用意した資料が消えてしまうアクシデントに見舞われたものの、即席のプレゼンと寸劇で立派に発表しました。
最後はチーム「inno(イノ)」の発表です。ヤングケアラーという社会問題に対して、ビジネスで解決に向けたアプローチができないかと考え、さまざまな困難を抱えたヤングケアラーの家事負担を減らすための宅食サービス「inno and...meal」を提案しました。強い思いが伝わってくるプレゼンに、会場の人々は引き込まれていました。
すべてのチームのプレゼンが終わり、講評へ移ります。日本政策金融公庫の松宮さんは、「わずか二ヶ月のあいだに、よくここまでビジネスプランを作り込みました。今、社会から高校生の斬新なアイディアが求められています。ビジネスに必要なのは、発想力と行動力です。優れたアイデアがあっても、行動力がないと前に進むことはできません。今後、みなさんがビジネスの概念を変えてくれることを期待します」とエールを送りました。
続いて、ビーイングホールディングスの喜多さんによる講評です。「みなさんの発表は奇想天外なアイデアからしっかりと内容を煮詰めたものまで様々あり、本当に楽しく拝見させてもらいました。今回受賞したチームもそうでないチームも、まずは2ヶ月間自分たちが十分にしてきたことをチーム内で讃えあってほしいと思います。私は20歳のときに会社を作りました。飯を食うために、365日24時間寝ずに働いてでもなんとかしなくてはという立場になって始めたビジネスモデルが、少しずつ広がっていきました。ビジネスのチャンスは誰にでもあります。ちょっとした勇気と、本当に粘り強く続けていく気概、常にそういうチャンスを見つける努力をすることが大切です。私はまさにゼロイチで、20歳で起業をして54歳になって会社を上場させることができました。みなさんはまだまだ若く、高校生ですから、私よりも少しスタートが早いわけです。ぜひこれから頑張って、次の世界を担えるような挑戦をしていただけたら嬉しいです」と話しました。
最後に、ファシリテーターを務めた「株式会社ガクトラボ」代表取締役の仁志出憲聖さんによる総括です。「誰でもゼロイチをできる時代ではありますが、学内で仲間を見つけるのは難しい。志のある高校生たちに金沢でゼロイチの仲間を作ってもらいたい、高校生のゼロイチ文化を作ろうということを目標に掲げ、大学生にもサポートで参加してもらい、二ヶ月間一緒に走ってきました。今日のプレゼンを見て、みなさんの成長に改めて感動しました。このゼロイチ文化を金沢でもっともっと広げていけるように、これからもがんばりましょう」と熱いメッセージを贈りました。
審査員賞に選ばれたsoko²のみなさん。
同じく審査員賞のゴーストバスターズのみなさん。
会場の投票によるオーディエンス賞に選ばれたinnoのみなさん。
二ヶ月前に初めて出会い、チームを組んでビジネスプランを作り上げたとは思えないほど、驚きの成長を遂げた参加者の皆さん。また、高校生に寄り添って二ヶ月間伴走した大学生サポーターの皆さん。学業もあるなかでの活動、本当にご苦労さまでした。イベントとしてはひと区切りとなりますが、今回の活動を契機として、今後の取り組みにつなげてくれることを期待しています!
編集:井上奈那

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